もうおわかりでしょうか?わたしの姿をチェックしていたのは、パーティを盛り上げていたあの女性。
パーティのあと、「お互い、カップルに慣れなかったし。」と、二人だけの二次会に誘ってくれたのです。連れて行かれたのは、その女性の通い慣れたお店。ぱっと見では、なかなか入る勇気の持てないような感じのお店でしたが、入ってみると気さくな感じのオーナーさんがにこやかに迎えてくれたのです。
「また行ってきたの?」という会話から、かなり話しをしている間柄だということがわかる。女性はヨウコさんと言って、そのお店の常連さんからも、ヨウコ、と呼ばれていました。ヨウコさんは、迷わずビールを注文。たくさんあるメニューから選ぶのも緊張するし、わたしも同じものを、と注文。
すると吹き出すヨウコさん。この人にはなんでも見透かされているようで、ちょっと恥ずかしくなってしまう。
アルコールが入ってくると、口も回りやすくなるのでしょうか?
最初は、何故、出会いを求めるようなパーティに参加したのか?とか、ヨウコさんが今まで参加したパーティでの面白い話しを聞いていたのですが、話題はいつしか過去の恋愛へ・・・。
こうやって明るく見えるヨウコさんにも、やっぱり過去ってあるんだな、と実感したわたし。なにも、過去を引きずっているのは、わたしだけじゃなかったんだ。
もともと明るい性格のヨウコさんは、やはりそれなりにはモテているみたいです。だけど、その過去の恋愛に引きずられていては、実際に身近となった存在の人だと思いきって踏み込めないのだとか。それで、初対面の人なら大丈夫なのか?と、また、自分がまた本気になれるのか、という気持ちで、次々と参加していたというのです。なんとなく、納得。
わたしは、仲の良い先輩がここで彼氏が出来たから、と、そんな簡単な理由でパーティに参加していたのが申し訳なくなってきた気分でした。そんなわたしの状態もまた、ヨウコさんには見抜かれていたようです。
くすっと笑ったあと、もうやめようかと思っていたけれど、今日は行って良かったなぁ、とちょっと嬉しくなるような言葉をくれたのでした。
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